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同志社大学を中心に活動する学生劇団、演劇集団Qの日記
卒業公演はきちんと進行しています
2014年02月22日 (土) | 編集 |
演劇集団Q、2013年度最後の活動となる卒業公演は、稽古もいよいよ佳境に入り目下追い込み中です。

何でそんな時期になるまで誰もブログ更新してないんでしょうか。

どうせ誰も見てないからじゃないですか、ボス。




2010年度生の東です。

今回の卒業公演の演目は「唐版・風の又三郎」です。

演劇集団Qの本公演としては実に3年ぶりの唐十郎です。

今作は、1974年に状況劇場によって初演された、唐の作品の中でもひときわ評価と人気の高い傑作です。
当時、ごみ処理場として日本中の人気と侮蔑を集めていた東京は夢の島――現在の新木場のごみの山に、おなじみの赤テントを建てて上演されました。
タイトルの通り『風の又三郎』に着想を得ています。そして、ギリシャ神話のオルフェウスとエウリュディケーの話(「振り返ってはいけないですよ」系神話)と、初演の前年に発生した自衛隊機乗り逃げ事件(酔っ払った隊員が訓練機で飛び立ち行方不明になった事件)が下敷きになっています。

ごみの島と風の又三郎とギリシャ神話と謎の失踪事件……一見関係しようのないこれら4つの事物が、唐の手腕によって見事に組み合わされ、巧緻かつ繊細な、きわめて叙情的な世界を織り上げている、のかどうかはちょっとわかりません。
とても、こう簡単には、この作品の魅力は言い表せません。



奇しくも3年前同様、卒業公演の演目として、松田祥平が演出します。松田は4年間のサークル生活の中で、実に3回も卒業公演の演出を担当したことになります。すごいですね。
ちなみに3年前、2010年の今ごろ、彼はいまや誰も残っていない偉大な先輩方と一緒に、同じく唐の傑作のひとつとして名高い『吸血姫』を演出していました。

私はそのときは参加していませんでした。
その後2年に進み、唐の脚本を昔ながらのテント公演という形態で上演している新宿梁山泊の公演『ベンガルの虎』を見に行きました。
これがもう暴力的に面白くて、まあどんな話でどんな脚本と演出の妙があったかという肝心なところを当時の私では理解できなかったのですが、そんな不毛な鑑賞法によってさえも、「とにかく面白かった」という強烈な記憶だけは残りました。
高層ビルオタクの間では「大阪の怪人」「高層ビル界の松永久秀」との異名を欲しいままにしている(※1)梅田スカイビルの真下に建てられたテントで、3時間に渡って上演された『ベンガルの虎』は、テントの周りを競輪用自転車が走り回ったり、観客に謎の灰やりんごの汁が飛んできたり、最後にはもちろんテントが崩れてその向こうから重機が現れたりと、全く長さを感じさせないぐらいに大技が次から次へと繰り出されていました。
卒業までに一度、唐をやってみたい、というこの頃から持っていた思いがようやく実現することになったわけです。



つまり、あれですよ。
脚本と演出がいかに巧みで、登場人物たちがどういった関係にあってどのような成長や変化を遂げそこにどんな魅力とドラマがあるのか、というレベルにまで作品を噛み砕いて味わうという行為を、唐作品のようなボリュームの戯曲に対しても問題なく(しかも一回きり・予備知識なしの観劇によって)出来る頭脳などは別に必須ではないのです。

そういう人でなくても面白いと感じる公演に仕上がっていると断言いたします。

「面白いんだから面白いんです見に来てください是非にでも」とは随分馬鹿っぽいというか、我ながら、他ならず馬鹿な宣伝文句ですが、頭のいい宣伝は他の人に任せます。
この公演は馬鹿ばかりで作られているのか?
違います。多分。
頭いい人いっぱいです。


そうです今回の公演は「しらんひといっぱい」です。
やっぱり馬鹿っぽいタイトルだ。
でも本当です。
京都大学・大谷大学・龍谷大学など数多くの大学から、個性と実力の塊とも言うべきキャストが寄せ集められ、この強大な脚本を演じきろうと切磋琢磨しております。
ここまで大規模な客演を伴う大型の本公演は、演劇集団Q史上でも稀ではないでしょうか。

脚本は難しいわ演技は追いつかないわで私をはじめ多くの人が四苦八苦していますが、現在もどんどん面白くなっています。
あと2週間の後にはさらにどこまで面白くなっているのか、面白く出来るのか、関係者一同、意欲と期待でいっぱいです。多分。みんな結構疲れてるのは内緒です。



このブログを見た方はどうぞお越しになってください。

演劇集団Q しらんひといっぱい卒業公演(2013年度卒業公演)
唐版 風の又三郎


3月6~9日にかけて、全5ステージを予定しております。

受付で「さるぽす」とお伝えいただければ、料金が1,000円になるキャンペーンもございます。嘘です。

詳しくは右にある公演情報をチェックしてください、どうぞ。



そうです今回は木・金・土・日の4日間に渡っての公演でございます(普段は金土日3日間の4ステージ)。
参加者一同、はりきって準備中です。

「等身大の葛藤を」とか「身近な問題を」とか「おぼろげな鬱憤を」とか「内面世界をドラマティックに書き立てる」とかとかとか、ぷざけた文句を堂々と掲げて活動している劇団の芝居にうんざりしている皆様、ぜひともお越しください。
森だの湖だの鴨川の河原だので撮った団員集合写真を公式ページのトップに掲げているような劇団共を高く吊るすのです。




※1 嘘です。
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